■郵便局のキアラ

近くの郵便局でいつものごとく(本当にいつも待たされる)順番を待っていたときだった。ケイタイでしきりに話しているウルサイ女が数人前にいるのを発見。フランスの公共施設にはだいたいケイタイに×マークがついたロゴが貼ってある。が、、、、無視する人は多いので、、、、またかぁって思った一瞬、おや?って。
自他ともにミーハーを認める僕のアンテナが動いた。
うーん、か、か、かの女はキアラ!(=キアラ・マストラヤンニ。それほど僕は彼女のファンではないのですが、ある種のミーハー族はこんなシチュエーションのときコンタクトモードが開始されるみたいで。)。
自分が郵便局に何しに行ったのかも忘れるくらいにもう落ち着きません。
彼女の番になって彼女は窓口に。僕はというと行列の中から凝視プラス凝聴/盗聴?してしまいました。
うーん。いい対応。窓口の郵便局員とのやりとりがとても好感が持てるものでサンパ(フランス語で感じのいいという意味)!!
丁寧にお礼を言って立ち去るところ、僕もほかの窓口で用を終え彼女の後を追いかける形(これはわざとではありませんよ。ミーハーですがストーカーではありません。)になりました。
郵便局の出口のドアを出るとき、後者が来る、または誰も来ないのを確認してからドアから手を離すのがフランスの日常(最近けっこうこのルールを守らない人が増えたことは残念ですが、、、、)で、キアラは僕がドアにたどり着くまで手を離さないで待っててくれました。(感激!!)
声を震わせながら、彼女にありがとう!!と言った瞬間、ものすごく新鮮な笑顔が返ってきた。
話はちょっと飛びますが、、、、(いつもおまえの話は飛び去ったまま帰ってきたためしがない!!って言われているので注意しながら、、、)。
一回目、日本に帰ったとき、こういう笑顔に飢えました。フランスではそれほど意識することなく様々なシチュエーションで微笑/笑顔を交わすことが多く、それは異性でも同性間でも、けっして変には思われないはず。(下心が全く無いとは言いきれませんが。ほとんどの場合において。)
それでついつい日本の地下鉄の中で視線が合った人(日本ではほとんどありませんでしたが)に微笑み、スケベジジイみたいに見られがっくりきました。忘れていたよなこの感覚。
という具合で1週間くらいでストレスがたまり始めました。ちょうどいい具合に韓国の友達からの遊びにおいでよという誘いを受け、気分転換にソウルに遊びに行きました。
ウチのパンダは飛行機が苦手なので、東京から新幹線で博多まで行き、その後ジェット船舶で釜山、セマウル号でソウルにたどり着きました。彼女は本当に飛行機嫌いで、日本に留学していたときの沖縄旅行は東京から船。フランスへの帰国にはシベリア鉄道を何度か利用したそう。
(ホラ、、、話がどんどん飛んできたでしょう?いけない、いけない)
ストレスは吹っ飛び!!韓国人は素敵な微笑をくれました。
混んだソウルの地下鉄でたくさんの荷物を持ち、片手でやっとこさつり革につかまっていたら(日本式のベンチタイプ)、座っていた若い女性がいきなり何か言ってるけどわからない。ウチの彼女に聞くと、「座りなさいよ!」って言ってるって。(ウチの彼女は韓国語も話します。)
微笑むと、微笑み返してくれて今度は僕の腕を引っ張り座れという仕草。ほとんど座れるスペースがないと身振りで示すと、この女性、右の座っている人をおしりで押しほんの少し空いていたスペースがひとり分になりました。
(キレイだったなこの人、、、、。)←思っても言っちゃいけませんねこんな事。またまた勘違いされそう。
これだけじゃなく、道で通りすがりにも、お店でも、みんな素敵な笑顔をくれました。
僕がガキのころ、確かお店で買い物するとき挨拶をして入ったし、笑顔でいらっしゃいませって言ってくれたし、こちらもありがとうって言っていたよなぁって、、、、、。こういうのはどこへ行ってしまったのだろうか?
一時帰国したとき、お店の人に挨拶して変な顔をされ、町で道を聞こうとしたらいきなり怖がられ?この件に関してはまた改めて書くことにするけど、、、ショック!!アリガトウって言っちゃいけないの????
話を戻しましょう!!
素敵な笑顔のキアラに好感を持った僕は、、、
「あなたはマドムヮゼル・マストラヤンニですよね?」と。
彼女は笑いながら「そうよ。」って。
「実は、ずっとあなたのお母さんのファンで、、、お母さんはサンシュルピスの広場にまだ住んでいるの?」と尋ねた。
彼女は「ママはずっとあそこに住んでるわ。」ってまるで友達のような会話が始まったのです。10分近くも引き止めてしまいごめんなさいでしたキアラ。
その後、もちろん彼女から連絡などはありませんが、また道ですれ違ったら気持ちよくボンジュール!!って挨拶をしようと思います。
いくつになっても、笑顔が素敵な人間になりたいなぁって思います。
写真は韓国料理が大好き!って言ったら思い切り惜しげなくこれでもかーってご馳走してくれました。これはメイン料理ではありませんよ。残りは食べることに一生懸命でメモカメするのを忘れたのです。